1988年汚職防止法(POCA)は、汚職と贈収賄を対象とするインドの主要な法律であり、当時存在していた反汚職の枠組みを強化し、公務員間の汚職を効果的に抑止・摘発するために導入されました。POCAは、より強固なものとするために随時改正され、直近では国連腐敗防止条約への整合を図って改正が行われました。
POCAは公務員に対する贈賄を扱い、不当な利益の要求、受領、受領未遂を対象とするとともに、不正・違法な手段、個人的な影響力によって公務員に影響を与えようとする行為を仲介する者についても、処罰の対象とします。
2018年のPOCA改正は、いかなる者による公務員への賄賂の供与、ならびに営利組織による公務員への贈賄に関して、刑事責任を導入しました。これら追加での強化措置は、あらゆる汚職行為に対してより厳しい規制を確保し、そのような行為について責任を負う者の範囲をさらに広げることを目的として導入されました。
インドのPOCAにおける不当な利益:意味と範囲

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POCAの枠組みは、公務に関連する行為において、公務員だけでなく私人にも適用されます。POCAは、公務を遂行する者がいかなる「不当な利益(undue advantage)」を受領すること、ならびにそのような不当な利益の供与または申出を処罰の対象とすることを意図しています。
不当な利益という用語は、「法的報酬を除く、いかなる態様の供与」と定義され、ここでいう「供与(gratification)」は「金銭的な供与、または金銭で評価可能な供与に限定されない」とされています。一方、「法的報酬」には、「適用される規則に基づき、公務員が受領を認められているすべての報酬」が含まれます。
POCAは主として、公務員が、自身または他の公務員を通じて、公務を不正にまたは不誠実に遂行すること、当該公務を遂行させること、もしくは遂行しないことを意図して、あるいははそのような不正または不誠実な行為に対する報酬として、いかなる者からも不当な利益を取得し、受領し、または取得しようとする行為を処罰することを目的としています。
「取得する(obtains)」「受領する(accepts)」「取得しようとする(attempts to obtain)」という用語は、職務上の地位を濫用すること、他の公務員に対して個人的な影響力を行使すること、もしくはその他の不正・違法な手段を用いることにより、公務員または第三者に利益をもたらす行為を含みます。POCAの下では、その利益が要求されたのか、直接受領されたのか、または仲介する者を通じて受領されたのかは問われません。

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公務員に不当な利益を申し出る、または供与するいかなる者も、POCAの下で訴追の対象となり得ます。賄賂供与者が営利組織である場合、または営利組織と関係を有する者である場合には、その営利組織と、当該犯罪に関与した営利組織と関係を有する者の双方が、責任を問われることになります。
営利組織の責任は、当該営利組織(または関係を有する者)が、「事業」または「事業の遂行における利益」を取得または維持する目的で、公務員に対して贈賄を行った場合に成立します。営利組織と関係を有する者とは、営利組織のために、または営利組織を代表してサービスを提供する者または団体を指し、従業員、代理人、子会社を含み得ます。
これとは別に、当該犯罪が、その同意または黙認の下で営利組織によって行われたことが立証できる場合、営利組織の責任者も個人的に責任を問われ得ます。営利組織の責任者には、取締役、役員、または賄賂供与の実行に関与した営利組織の責任者が含まれます。
インドの裁判所は、一貫して、違法行為を実現するために与えられる不当な利益、または適法な行為が不正に行われることを実現するために与えられる不当な利益を、賄賂として扱ってきました。POCAの下での訴追における重要な要素は、不当な利益の「要求」と「受領」の双方を立証することです。
この証拠要件は、違法な賄賂金の所持または回収のみに基づく有罪判決を防ぎ、賄賂供与者と賄賂受領者との間の、禁止される見返り(quid pro quo/公的な便宜または行為と引き換えに利益が与えられる関係)が、説得力のある証拠によって立証されることを担保するものです。
インドのPOCAにおける事業上の贈答、接待、娯楽
POCAは、公務員に対して「事業上の贈答、接待または娯楽」を供与することを認めていない一方で、1964年中央公務職(服務)規則、1968年全インド公務職(服務)規則、ならびに各州独自の各種規則など、公務員に適用される服務規則が制定されています。
これらは、贈答について金額の基準を定め、価値が定められた上限を超える場合には報告を義務付けています。これらの規則に違反した場合、公務員は懲戒処分の対象となり得ます。重要な点として、一定の事実関係においては、豪華な贈答や接待を継続的に受け入れることがPOCAの下での「不当な利益」に該当し得ます。
インドの汚職防止法(POCA):懲役、罰金、汚職に対する処罰

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POCAは、このような犯罪への関与を抑止するために、極めて厳格な刑罰を定めています。2018年の改正は、同法に基づくさまざまな犯罪行為について、最低刑期と最高刑期の双方を引き上げました。公務を遂行する者がPOCAの下での責任を問われる場合、最長7年の懲役に処される可能性があり、これに加えて罰金が義務付けられています。
同様に、賄賂の供与に関与する者は、公務員への賄賂供与に関与したとして有罪と認定された営利組織の責任者も含めて、最長7年の懲役に処される可能性があります。関連事項として、POCAには罰金額に関する最低または最高の基準は定められておらず、その額の決定は裁判所の裁量に委ねられています。
興味深いことに、適用範囲を拡大し規定を強化することにより、汚職防止法の効力をより高めるという目的に沿って、POCAは、犯罪の収益または成果物を構成する財産(不当な利益によって取得またはそれに由来する資産を含む)の仮差し押さえを行う権限を認めています。このような仮差し押さえは、賄賂または汚職の収益を構成すると考えられる、またはそこに由来すると考えられる財産に対する一時的な制限措置であり、その隠匿、移転、散逸を防ぐことを意図しています。
仮差し押え命令は、裁判所により、次の場合に発することができます。(1)当該財産が、被告である公務員のものである場合、(2)事実関係により正当化される場合において、当該財産が賄賂供与者または教唆者のものである場合、(3)当該財産が親族または関係者を含む第三者に移転されており、その移転が没収を免れる意図で行われたか、または善意で行われたものではない場合。
このような仮差押え命令は、汚職の収益を構成すると疑われる資産を保全するための措置であり、有罪判決となった場合に没収の対象として可能な状態に保つための措置です。没収の最終命令は、有罪判決に基づいて決定されます。それまでは、仮差押えは暫定的なものにとどまり、裁判所により変更または解除され得ます。
インドのPOCAに基づく汚職の企業責任
企業の刑事責任はインドで長らく認められており、企業の事業に関連して、その業務を支配する者または複数の者によって犯罪が行われた場合、営利組織は訴追の対象として責任を問われてきました。POCA第9条は、この原則を法定上明確にし、関係を有する者によって行われた賄賂行為について、営利組織に責任を負うものとしています。
重要な点として、第9条はまた、関係を有する者が汚職行為に関与することを抑止するための適切な措置が講じられていたことを営利組織が立証することに成功した場合に、当該営利組織に抗弁を認めています。その場合、営利組織は、POCAの下での刑事責任を負いません。このような適切な措置を構成するものが何かについては、公表された規則はありませんが、営利組織はこうした抗弁を利用できるように、強固な反汚職方針を採用する必要があります。
要点
POCAは、汚職や賄賂について広範かつ機能的な概念を採用し、幅広い刑事上の帰結や執行措置を伴う制度を定めています。営利組織はPOCAに基づいて処罰され得ますが、同法は、そのような組織が認められ得る抗弁も想定しています。同様に、営利組織による犯罪に関する個人責任は、その犯罪について積極的に同意・黙認し、かつ当該営利組織を実質的に支配していることが立証される者に限定されます。
同法自体および裁判所は、そのような犯罪に積極的に関与していない営利組織および個人を保護する枠組みの下で、個人および企業の刑事責任を位置付けてきました。その結果、営利組織にとっては、POCAの予防的な制度に自社の事業活動が整合するよう、強固な反汚職方針およびコンプライアンス措置を実施することが不可欠とされています。
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