フィリピンの商標権行使を支える税関登録

By Ernest Luigi A Manzanares/Federis & Associates Law Offices
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フィリピンへの輸入貨物量の増加に伴い、税関登録の重要性がいっそう高まっています。フィリピン統計庁によると、2025年の輸入額は1342億米ドルに達し、前年比で5.2%増加しました。2026年1月~4月の総輸入額は、2025年同期の433億6000万米ドルから約14%増加し、492億2000万米ドルに達しました。

商標権の行使は、フィリピン知的財産庁(IPOPHL)や裁判所における手続きに限りません。模倣品や侵害物品の輸入に直面するブランドオーナーにとって、関税局(BOC)への知的財産権(IPR)の登録は、税関当局がそうした物品の国内への流入を阻止できるようにして、保護をもう一段厚くするものです。

税関の措置を支える第155条

Ernest Luigi A Manzanares, Federis & Associates Law Offices
Ernest Luigi A Manzanares
アソシエイト
Federis & Associates Law Offices

知的財産法(IPC)第155条は、商品の販売、販売の申出、頒布、広告に関連して、登録商標の複製、模造、複写、紛らわしい模倣を無断で商業上使用することを禁止しており、これにはそうした活動を実行するために必要な準備段階も含まれます。フィリピンで流通させることを目的とした模倣品や侵害物品の輸入は、商品が販売される前であっても権利侵害に当たります。

関税局は、知的財産権者が税関に自らの権利を登録できる手続きを定めています。税関行政命令第6-2002号に基づき、申請には関税局長官と同局知的財産権部(BOC-IPRD)部長に宛てた意向表明書、権利の帰属を証する宣誓供述書または権利者を代理する権限を証明する書面、該当するIPOPHL発行の登録証の認証済謄本が必要となります。

また、申請者は、製品と、輸入者、供給業者、仲介業者、流通業者、倉庫に関する関税局所定の様式の書類を、知的財産権の対象となる製品の十分な説明、入手できる場合は製品サンプルを添えて提出する必要があります。権利者は同様に、自らの製品の輸入または頒布を許可した個人・法人、または許可していない個人・法人を明示することができます。

模倣品の可能性がある物品が発見された場合、知的財産権部は、知的財産権の登録または更新の際に提出された申請書の連絡先を用いて、権利者またはその代理人に連絡をとります。これにより、権利者は関税局とやり取りしながら、物品が真正品か侵害物品かの判断を助けることができます。

登録により効果的な水際での取り締まりが可能に

税関登録は、実体的な権利を創出するものではありません。そうした権利は知的財産法に基づいて発生します。登録は、正規の輸入品と、模倣品の疑いがある物品を区別するための実際に活用できる情報を関税局に提供することにより、水際でこれらの権利を行使できるようにするものです。

知的財産権が登録されると、関税局は職権により、侵害の疑いがある輸入品を監視・検査し、税関規則に基づいて差押え・没収の対象となるかどうかを判断することができます。登録を通じて提供された情報は、税関職員が侵害の可能性がある貨物を特定し、差し止めるのに役立ちます。水際での保護の実効性は、関税局に提供される情報の質に左右されます。したがって、ブランドオーナーは、登録された権利、製品、正規のサプライチェーンに関する明確な情報とともに、既知の模倣品、無許可の輸入者、輸送ルート、包装の相違点、その他の識別につながる特徴に関する入手できる範囲の情報を提供する必要があります。

さまざまな知的財産権が登録の対象に

税関登録は商標に限りません。著作権や著作隣接権、特許権、意匠権、地理的表示など、その他の知的財産権にも及びます。すべての知的財産権者が必ずしも税関登録を必要とするわけではありません。その価値が最も高まるのは、模倣品や侵害物品がフィリピンに輸入される重大なリスクがある場合です。消費財は明白な対象となります。ファッション用品、履物、化粧品、電子機器、自動車部品など、模倣品が出回りやすいブランド製品は、水際での保護の恩恵を受けることができます。

登録は、権利者がフィリピン国内で販売されている模倣品や侵害物品を発見し、それらの製品が海外から入ってきていると信じるに足る理由がある場合にも有用です。現地企業が紛らわしいほど類似した商標を使用しているだけで、紛争が単発にとどまる場合には、権利者にとっては異議申立て、権利侵害訴訟、警告状の送付のほうが適していることもあります。

登録により流通前の侵害を防止

多国籍企業にとって、税関登録の主な利点は予防にあります。模倣品や侵害物品がいったん国内市場に流入し、流通業者、転売業者、オンライン事業者の間に行き渡ってしまうと、権利行使はより難しく、費用もかさむようになります。水際での取り締まりにより、権利者はサプライチェーンのより早い段階で介入することができます。

税関登録は、従来の知的財産権の行使を補完するものです。商標登録、市場のモニタリング、適切な行政上または司法上の措置と組み合わせることで、税関登録は実効性のある形で保護をもう一段厚くするのです。

Ernest Luigi A Manzanares氏はFederis & Associates Law Officesのアソシエイトです。

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