同性婚を認めていないカトリック教徒が多数を占めるフィリピンにおいて、Jennifer Josef v Evalyn Ursua事件は、同性カップルに対する財産権の拡大に向けた重要な一歩となりました。最高裁判所は、同性パートナーであっても、共同で財産の取得に寄与した場合は、家族法第148条に基づいて法的に強制可能な共有権を取得し得ると判断したのです。本判決は、同性関係であっても、法の下で、保護する権利が発生することを確認するものです。
確認書によって共有持分の権利を確保

ファウンダー兼マネージング・パートナー
DivinaLaw
メトロ・マニラ
同居期間中、Jennifer Josef氏とEvalyn Ursua氏は、住宅および土地を取得しました。当該不動産はUrsua氏の名義で登記されていましたが、Ursua氏は「不動産に関する第三者利益の確認書」を作成し、当該不動産の取得および改修にJosef氏が関与したことを認めました。また、購入代金および改修費用についてJosef氏が自己の負担分を実際に支払うことを条件として、Josef氏の50%の持分を認めました。Josef氏はその後、権利主張の宣誓供述書を提出し、第三者に対して当該不動産に関する自身の利益を通知しました。
両者の関係が終了した後、Josef氏は自己の持分の承認および分割を求めました。しかし下級審は、寄与を裏付ける独立した証拠がないとして請求を退けました。最高裁はこれを覆しました。Ursua氏が確認書への署名を認めたため、その真正性および適式な作成は立証されたとされました。確認書の文言に曖昧さがある点について、作成者であるUrsua氏に不利に解釈した上で、裁判所は、同氏がJosef氏の最低限の持分として50%を認めていたと判断し、それを超える持分を主張するには裏付け資料が必要であるとしました。
第148条は同性カップルにも適用

パートナー
DivinaLaw
メトロ・マニラ
Josef事件の重要な進展は、家族法における財産関係の規律、とりわけ第148条を、同性カップルに明示的に適用した点にあります。
家族法第147条は、有効な婚姻は成立していないものの、法的には互いに婚姻する能力を有する男女が同居する場合に適用されます。同条では財産取得に向けた共同の努力を広く認め、家庭および家族の世話や維持も寄与の一形態として扱います。
これに対し、第148条は、第147条に該当しない同居関係を規律するものです。同条の下では、当事者が金銭、財産または労務により実際に共同で寄与して取得した財産のみが共有となり、持分は寄与の割合に応じます。ただし、反対の証明がない限り、寄与は平等であるとの推定が置かれます。
フィリピンの法律では、婚姻を「男性と女性の結合」と定義していることから、最高裁は、Josef氏とUrsua氏のような同性カップルには第148条が適用されると判断したのです。
Ursua氏の確認書は、Josef氏の実際の寄与を基礎づけるものでした。また、第148条の平等推定を覆すに足る十分な証拠がないとして、Josef氏は50%の共有者として認められました。この考え方は、従前からフィリピンの判例法上確立していました。Tumlos v Spouses Fernandez事件において、最高裁は単なる同居それ自体では第148条に基づく共有は成立せず、財産取得に対する実際の寄与が立証されなければならないと判示しました。Saguid v Court of Appeals事件でも同様に、共有は当事者の立証された寄与の範囲に限られ、各割合が確定しない場合には法律上の平等推定が適用されると強調されました。Josef事件は、この枠組みを同性の同居関係へ明示的に拡張したものです。
同性カップルに対する実務上の保護

アソシエイト
DivinaLaw
メトロ・マニラ
本件は、同性カップルに対して保護を与えるとともに、実務上の指針も示しています。保護を確実にするため、当事者は、合意書、確認書、支払証憑および寄与の記録などにより、持分を文書化しておくべきです。重要なのは、実際の共同寄与が立証されれば、法により平等推定が与えられる点です。
もっとも、その保護には限界もあります。第147条と異なり、第148条は、家庭や家族の世話・維持を取得への寄与とみなすことを明示していません。さらに、Josef事件は、婚姻上の地位や、フィリピン法が婚姻に付随させる一連の権利を付与するものではありません。裁判所は、共有、寄与および契約解釈に関する既存のルールに基づき、財産紛争を解決したにとどまります。
不利益申立てと慎重なデューデリジェンス
同性カップルにおいて、登記名義が一方のパートナーのみである場合には、合意書、確認書および支払記録が共有の立証において重要となります。未登記の利益を主張するパートナーは、法的に可能であれば、不利益申立てを注記することにより、第三者に対して当該利益の主張を通知することも検討すべきです。
買主および貸付人にとっても、本判決は、デューデリジェンスが不可欠であることを改めて示しています。確認は登記名義人にとどめるべきではなく、不利益申立てなどの登記上の注記や、他者が所有権利益を主張し得る事情の有無も考慮すべきです。
Nilo T Divina氏はメトロ・マニラにあるDivinaLawのファウンダー兼マネージング・パートナーであり、Ciselie Marie T Gamo-Sisayan氏はパートナーで、Angel Isah M Romero氏はアソシエイトです。
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